※2026年2月 最新データ更新済み
裁判官・検察官・弁護士という法曹三者登用試験の司法試験の受験資格を得るために予備試験があるわけですが、方法はもうひとつあります。それは、法科大学院の課程を修了すること。
予備試験の合格、法科大学院の修了、どちらでも司法試験受援資格は得られますが、どっちのコースが良いのでしょうか。いずれもそれなりの「関門」があるので、その関門如何によっては本当に迷いますよね。
ここで、その2つのルートについて比較してどっちがおすすめか明らかにしてみました。予備試験については既に述べているので、法科大学院のお話から始めてみようと思います。
2023年から法科大学院の在学中受験が解禁され、『どっちのルートが有利か』の常識が大きく変わりました。最新の制度を踏まえ、元受験生の視点から、今選ぶべき“最短ルート”をズバリ解説します。

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予備試験と法科大学院どっちがおすすめかは一概には言えない

予備試験ルートと法科大学院ルート、どっちがおすすめかというと、一概には言えずその人の属性や生活スタイルや、考え方によるとしか言えません。ここで話が終わっては意味がないので、個別に検証してみます。
その前に、法科大学院ルートと予備試験ルート、それぞれ比較すべきポイントを挙げつつ概要を述べ、それを基に比較検討してみましょう。
法科大学院ルートの概要
「法科大学院」とはいわゆるロースクール。職業法律家養成学校です。「大学院」とありますから、一般的に言う大学院とお考え下さい。日本におけるロースクール制度は、旧司法試験からの制度改革により2004年から設置された機関です。関連:旧司法試験と予備試験の違いは? 元受験生が新旧試験を比較してみた
当初は移行期間として旧司法試験とこの法科大学院が並行していましたが、並行期が2011年で終わり、同時に予備試験ルートが新設され今に至っています。私はちょうどこの時期司法試験受験生でした。旧司法試験終了と同時に私も受験生離脱しましたけど。
受験資格者は大卒あるいは見込み者のみ
法科大学院には入学試験があります。受験資格は四年制大学を卒業あるいは卒業見込みの者。 受験資格については出身学部要件はありません。法学部はもちろんですが、他学部でも問題なく受験できます。
高卒・中卒の方は法科大学院ルートは難しいことになりますね。
法科大学院の競争倍率
法科大学院って入りやすいのでしょうか。ひとつの指標として競争倍率を見てみましょう。2025年度法科大学院入試競争倍率ランキングがありましたので共有させていただきます。資料は伊藤塾です。
- 日本大学:8.11倍
- 専修大学:8.00倍
- 筑波大学:6.75倍
- 関西大学:6.24倍
- 法政大学:4.81倍
競争倍率8倍はそれなりに高いと言え、それだけ定員に対して多くの受験者が集まっていると言えるでしょう。ただ、所謂難関法科大学院とは違う大学院が顔を出しているトップ5、有名法科はここまで競走倍率は高くありません。
- 慶應義塾大学:4.15倍
- 京都大学:2.83倍
- 早稲田大学:2.85倍
と、毎年司法試験合格者を多く輩出している法科大学院は3倍とすれば、合格率換算では33%付近です。もちろん、これは入学難易度とは必ずしもイコールではありませんけど。参考までに。
司法試験受験資格取得までの期間は原則2~3年
法科大学院に入学したらどのくらいで司法試験受験資格を取得できるのでしょうか。基本的に2年or3年で取得できます。法科大学院はコースが2種類あります。
- 法学未修者コース(3年コース)
- 法学既修者コース(2年コース)
法学部出身者は2年の法学部既修コースと未修コース(3年)の選択ができますが、他学部出身者は未修者コースしか選べません。既修者コースは法律学習経験が必要で、それは入試にて試されることになります(法律科目試験)。法科大学院受験は出身学部関係ありませんが、入学してからは法学部出身者の方が有利と言えますね。
法科大学院在学中でも司法試験受験資格取得は可能
ただし、法科在学中でも2023年より条件付きで司法試験受験資格が取得できるようになりました。その条件とは、
- 所定の単位を取得
- 1年以内に課程修了する見込みであること
つまり、
- 法学未修者コースで2年
- 法学既修者コースで1年
で司法試験受験資格を取得することも可能ということになります。
法科大学院の費用は国立で300万円以下私立で上限500万円程度
法科大学院はどのくらいの費用が必要なのでしょうか。国立と私立で違います。アガルートアカデミーより引用
国立は入学金28万2000円年間の学費は80万4000円。つまり、
- 法学未修者コースで269万4000円
- 法学既修者コースで189万円
私立は入学金は10万円~30万円と幅あります。授業料は50万円~140万円とこれまた幅がありますね。つまり、
- 法学未修者コースで160万円~450万円
- 法学既修者コースで110万円~310万円
当然、在学中に司法試験受験資格取得してそのまま合格できればそれだけ費用は節約できます。
※私立は給付型奨学金制度が充実している大学院が多いので各校ごとにチェックしてください。
予備試験合格ルートの概要
予備試験とは、司法試験の受験資格を得るための国家試験です。そのため司法試験と予備試験は、そもそも別性格の別試験ではありますが、内容は非常に近いというかほぼ一緒(もちろん問題は違います)、勉強もほぼ同一性があると言えます。
予備試験は誰でも受験できる
予備試験には受験資格要件というものがありません。つまり、誰でも受験できます。年齢・学歴・国籍いずれも問われません。予備試験とはどんな試験?最新日程や受験料・属性別合格率推移を紹介!
予備試験は超絶難関試験
予備試験の合格率ですが非常に低いです。現時点での最新である令和7年度予備試験の合格率3.64%。受験者数1万2432人、合格者は452人です。さすがというべきか、国家資格文系最難関試験と言われる試験ですね。
予備試験合格までは2年~4年程度
そんな難関試験である予備試験合格までどのくらい掛かるのでしょうか。正直、どのくらいで合格できるとは言えません。合格できない人の方がはるかに多いのですから、ヘタなことは言えませんが、個人的に、合格できる人は2年~4年程度が目安と考えます。
予備試験合格を目指すため、ほとんどの方が予備校を利用しますが、その予備校の講座カリキュラムは2年で修了としている場合が多いです。実際に2年勉強してOKということはなく、必要に応じて勉強は続けるのですが、2年+0年~2年ぐらいは必要だと思います。
この辺りは取れる勉強時間によって大きく変わる部分だと思いますが、2~4年と考える受験生は多いのではないかと思います。
予備試験で掛かる費用は安くて10万円程度
試験ですから受験料以外は掛からないと言えば掛かりません。もちろんそれでは合格はできないので、勉強は必要。予備校費用ですが、カリキュラムコースで安くて10万円強程度ハイエンドで180万円ぐらいです。
もちろん、オプション付けたり合格まで期間が長ければ、その分費用は掛かります。
法科大学院ルートと予備試験ルート-まとめ
| 属性 | おすすめルート | 理由(2026年最新状況) |
| 社会人 | 予備試験一択 | 仕事とローの両立は極めて困難。予備校を使いスキマ時間で狙うのが現実的。 |
| 大学生 | 法科大学院(上位) | 在学中受験により、最短なら大学4年+ロー1年で司法試験を受けられる。 |
| 費用優先 | 予備試験 | 学費数百万円以上を浮かせて、その分を高品質な予備校講座に回す方が合格率は高い。 |
表の通り、社会人なら迷わず予備試験ルート、学生なら上位ローを視野に入れた選択が賢明です。
いずれにせよ、最短ルートの鍵は『自分に合った予備校選び』にあります。まずは合格実績で圧倒的なアガルートや、コスパ最強の資格スクエアなど研究して、具体的な学習イメージを掴んでみてください。
旧司法試験受験生の経験がある私が、2026年にリリースされている司法試験予備試験予備校の中からおすすめをピックアップし、論文添削力を中心に比較してみました。
高卒・中卒の方は予備試験ルートがおすすめ
高卒・中卒の方は、予備試験ルートがおすすめです。それは、高卒・中卒では法科大学院受験資格要件に抵触するからです。
もちろん、社会人になってからでも大卒資格取得は可能ですが、それは完全に遠回り。司法試験受験資格のためだけに大卒資格を取るのだったら、端から予備試験から目指すべきでしょう。

社会人で司法試験目指すのも予備試験ルートがおすすめ
働きながら司法試験を目指すのなら予備試験ルートがおすすめです。予備試験は社会人が法曹目指すのに適していると言えるでしょう。
他方、働きながらと法科大学院のの二足のわらじはかなり厳しいです。授業は日中ですが、社会人は仕事があります。夜学という道もありますが、かなり限られているし、それだって通うのは厳しいです。そこまで苦労して法科通うより、予備試験の勉強を積み重ねていく方がはるかに人間的な生活ができると思います。
働きながら法科大学院という道もなくはないですが、おすすめはできませんね。予備試験ルートの方が良いと思います。
関連:司法試験予備試験に合格する社会人の現実-働きながらは無理?
費用を抑えたい人はどっちがおすすめか
司法試験受験資格取得までの費用を抑えたい人は、ケースバイケースで何とも言えない部分です。上の各コース概要まとめ表を見てみると、法科大学院の方が費用は掛かりそうですが、必ずしもそうではないはです。
法学部出身の人が国立法科大学院に入学して順調に単位取得して修了1年残して司法試験受験資格取得できれば、法科大学院の方が費用は掛からないと言えます。
予備試験ルートの方が費用は抑えられる?
しかし、他学部出身者が法科を選ばず10万円程度の予備講座で学んで3年程度で合格できれば、予備試験ルートの方が費用は安いということになります。
予備試験ルートで100万円以上の予備校代は一見高く感じるかもしれません。しかし、法科大学院へ通うための3年間の学費と、その間に失われる『職歴・給与』を考えれば、実は最も安上がりな選択肢なのです。
一般的に言えば、予備試験ルートの方が費用は掛からないと言えます。が、それは順調に歩むことができた場合。そうはならない場合もあると認識しておきましょう。

司法試験に合格しやすいのは断然予備試験ルート
表の中には記載ありませんが、司法試験合格しやすい方はどっち?という問題はかなり興味があると思います。実はそういうデータも出ています。
司法試験合格については、予備試験ルートの方が断然有利です。下の表をご覧ください。下の表は、法科大学院ルートと予備試験ルートの合格率直近5年を比較したものです。法務省の司法試験ページより
| 法科大学院(在学中含) | 予備試験(合格者) | |
|---|---|---|
| 令和3年 |
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| 令和4年 |
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| 令和5年 |
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| 令和6年 |
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| 令和7年 |
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|
いかがでしょう?予備試験合格者組の方が法科大学院組をはるかに凌駕しています。
法科大学院組は受験者の3分の2程度が落ちてしまうのに対し、予備試験組は一部例外を除き合格という感じ。ヘタ打たない限り、予備試験通れば司法試験通ったも同然という感じですね。
最新の法科大学院司法試験合格率ランキング
その法科大学院の司法試験合格率のランキングを載せておきましょう。どこの法科が司法試験に合格しやすいかというランキングです。つまり、法科大学院ルートでどこに入るべきかというデータになります。
| 順位 | 法科大学院名 | 司法試験受験者数 | 司法試験合格者数 | 司法試験合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 京都大学法科大学院 | 223 | 134 | 57.51% |
| 2位 | 一橋大学法科大学院 | 118 | 64 | 54.24% |
| 3位 | 慶応義塾大学法科大学院 | 268 | 134 | 50.00% |
| 4位 | 東京大学法科大学院 | 240 | 114 | 47.50% |
| 5位 | 早稲田大学法科大学院 | 386 | 162 | 41.97% |
| 6位 | 大阪大学法科大学院 | 138 | 56 | 40.58% |
| 7位 | 神戸大学法科大学院 | 123 | 49 | 39.84% |
| 8位 | 筑波大学法科大学院 | 37 | 13 | 35.14% |
| 9位 | 中央大学法科大学院 | 291 | 98 | 33.68% |
| 10位 | 九州大学法科大学院 | 110 | 35 | 31.82% |
繰り返しになりますが、1位でも60%弱です。いかに予備試験組の方が司法試験い受かりやすいかということです。
法科大学院の方が司法試験受験資格取得は凌駕
ただし、司法試験受験資格取得だけ見れば法科大学院の方が予備試験を凌駕していることは忘れてはならないでしょう。
法科大学院の方が予備試験合格に比べて入学しやすいので、そこはトレードオフと言えると思います。
要はどこの門戸が広いか狭いかの問題。予備試験合格と法科大学院入学&課程修了と司法試験司法試験合格。そこはあなたの考え方次第ですね。

予備試験と法科大学院司法試験合格率に差が出る理由を考察
これだけの差が出ているのはなぜなのでしょうか。理由はたくさんあると推察していますので列挙してみます。
試験慣れ
試験慣れ。予備試験出身の司法試験受験生は「同じ試験が出る」という試験慣れが有利に働いているのではないかと思います。
また、予備試験と司法試験、別試験ではあるのですが、予備試験対策=司法試験対策みたいなものです。法科はそういう対策を取るわけではないので差は出るでしょう。
法科大学院間の格差
法科大学院は、大学院間の格差があります。わかりやすく言えば偏差値ですね。その意味では法科組司法試験受験生は学力にバラつきがあります。
一方、予備試験組はみな合格者ですからハイレベル司法試験受験生と言えます。そこにバラつきはありません。
予備試験組と法科大学院組では、経験面も学力面で受験前から差があるという点が合格率に差が出るという理由なのだと思います。
最強は法科大学院生の予備試験受験
費用と時間に余裕がある方は法科大学院生になって予備試験受験という方法もあります。当然、費用はその分かかります。
なぜこんなことを紹介するかというと、実際大勢いるからです。予備試験ルートの司法試験合格率が高いとお話していますが、実はこのダブルスクール?組が一定数います。つまり、法科学生の予備試験受験組が司法試験合格の可能性が最も高い属性ですね。
こういうことができるのは比較的裕福な家庭の法科大学院生と想像できますが、法科大学院生が予備試験予備校を利用して予備試験合格した受験生が最強と言えるのではと思います。
よくある質問をまとめてみた
-
Q1: 社会人が今から目指すなら、働きながらでも法科大学院は通えますか?
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A: 夜間コースもありますが非常に限定的です。今の時代、オンライン予備校を活用して隙間時間で予備試験を狙うのが、キャリアを捨てない唯一の現実的ルートと言えます。
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Q2: 予備試験に落ち続けたら、その後に法科大学院へ切り替えるのはあり?
-
A: 大いにありです。予備試験の勉強はそのままロー入試対策になるため、無駄がありません。
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まとめ
というわけで、司法試験受験資格を得る方法で法科大学院コースか予備試験コースのどっちが良いかを比較してみました。
これは印象とかではなく、公表されているデータを基にした検証結果です。どちらのルートを辿るかは、人によるという意味はお分かりいただけたのではないかと思います。
あなたは今どんな属性の方か、予算はどうか、どこに「山」を持ってくるべきか…etc
今から始めて最短で法曹バッジを手にするならどっち?
純粋にスピードだけを追うなら、法科大学院の『在学中受験』。ただし、これは学力と時間に余裕がある学生の話。働きながらの最短は、今も昔も『予備校を活用した予備試験ルート』一択です。

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