伊藤塾予備試験トップページ

「伊藤塾」と言えば、この司法試験受験業界では最も有名であり、最も多くの合格者を輩出している大手予備校と言えるのだと思います。司法試験予備校を探そうと考えれば、まず間違いなく検討はされる学校と言えるでしょう。

何を隠そう、管理人も受験生時代は伊藤塾の通信受講生でした。制度が切り替わる過渡期を経験した受験生だったこともあり、何かと慌ただしい時代でしたが、何年かお世話になりました。

そういった経験も踏まえて、伊藤塾司法試験講座について解説してみたいと思います。公式HPの内容で重要部分をピックアップし、講師や費用についての考察を交えて、入門講座の中身について深掘りしていきたいと思います。

伊藤塾ってどんな予備校?

伊藤塾とは、LECの専任司法試験講師だった伊藤真氏が1995年に独立して立ち上げた法律系資格試験予備校です。伊藤真氏は代表ではなく塾長としての立場で、渋谷に本校を構えました。当初は司法試験のみです。ちなみに、その時に同僚だった高野泰衡氏(現資格スクエア講師)も伊藤塾に移籍しています。

LEC時代からカリスマ講師だった伊藤先生が立ち上げた予備校とあって、すぐに人気予備校となり、他所にも教室を設置したり他講座も開講したりと徐々に拡大していきました。

月日は流れ、多くの合格者を輩出し、それがさらなる受講生を呼んで、いつの間にか大手司法試験予備校でも最も規模の大きな業界No.1予備校となりました。

伊藤塾司法試験対策講座とは

伊藤塾の司法試験講座は、総じて「司法試験対策講座」と称します。大手予備校らしく受験生のレベルや用途に合わせてさまざまな講座が用意されていて、幅広いニーズに対応しています。

そのうち、初学者・再受講者対象の「司法試験入門講座」は、予備試験・難関法科大学院対策講座という位置づけになります。

さらに、その入門講座もニーズに合わせて多くのバリエーションがありますが、中でも伊藤真塾長のクラスと呉明植講師のクラスが特に人気を博しているようです。この2人は業界でもトップクラスのカリスマ講師であり、まさに伊藤塾の顔、名前で多くの受講生を呼べる講師の代表格になります。

伊藤塾司法試験講座のカリスマ講師

伊藤塾の特徴の一つに、有名講師が多数在籍しているという点が挙げられます。本田講師や伊関講師など人気講師を揃えていますが、その中でも伊藤真講師と呉明植(ごうあきお)講師は私も教わったことがありますのでちょっと取り上げてみたいと思います。

伊藤真講師-この業界の革命児

まずは塾長である伊藤真講師。現在では「司法試験 入門講座 2年合格コース 【伊藤塾長クラス】」の体系・基礎マスターというインプット講義その他を担当されています。

私が受講生のころからすれば加齢感は否めませんが、初学者に法律を教えることにかけては、未だにNo.1だと感じます。力強いが優しい説得力のある語り口。難しい法律も一旦受講生目線まで降ろしてわかりやすく解説。抜群のトーク力を生かした硬軟織り交ぜた脱線話(私のときは結構ありました)で空気を変える機敏さ。これは唯一無二なんだろうなと感じます。

その思想信条には賛否両論ある方ですが、講義力は本物です。デモ講義でご確認ください。

司法試験受験指導法を変えた先生

伊藤先生の功績に一つに、受験指導方法論を変えたという点があると思います。

司法試験受験界に「論証パターン(論証ブロックともいうらしい)」なるものがあります。これは論文試験の「論点論述のひな形」です。この論証パターンをたくさん用意しておいて、答案作成の際に論証を論点記述に利用していきます。

この論証パターン、旧司法試験の論文式試験のハードルを下げた(それでも難易度はかなり高いものですが)のだそうですが、この論証パターンを発明したのは伊藤先生です、確か。

また、講義中に論点の重要度で「A、B、C」と重要度ランクを各講師で定めていますが、これも伊藤先生が最初と聞いたことがあります。

言ってみれば、受験指導界で「伊藤真前」と「伊藤真後」があるわけで、その意味では革命児と言えるでしょう。

呉講師-若いころから優秀だった現在No.1講師

こちらの呉講師も司法試験受験業界ではカリスマ講師といわれている方です。担当講座は「司法試験入門講座 呉・基礎本クラス 2年コース」のインプット講義と答練の一部を担当されています。

伊藤先生はもっぱらインプット講義担当ですが、呉先生インプット講義以外も担当されます。そういったことからもわかるように、オールマイティであり、いずれも切れ味鋭く的確な講義が好評です。バランス的には現在業界No.1講師は呉先生なんじゃないかって思っています。

伊藤先生とは違って割合効率的に講義を進める印象で、あまり脱線もないと記憶しています。当時は改正商法の講義が呉先生担当だったのですが、有名教授の基本書と論証パターンで講義をされていました。基本書で講義っておそらく難しいと思うのですが、ポイント押さえて的確な授業だった記憶があります。



伊藤塾司法試験入門講座の中身

伊藤塾司法試験入門講座カリキュラム

それでは、入門講座の中身について解説していきましょう。ここは伊藤先生の入門講座についてお話します。呉先生のクラスはだいぶ中身が異なるので公式HPでご確認ください。

受講スタイルは通学と通信です。塾長クラスは渋谷校で実際に講義は行いますが、時世柄zoomによるライブ配信も行います。通信は講義を録画し後日それをweb配信します。

伊藤塾入門試験入門講座は、大きく分けて3つの段階に分かれます。

  1. 体系マスター
  2. 基礎マスター
  3. 論文マスター

以下、それぞれ深掘りしていきましょう。

体系マスター

基礎法学あるいは各科目(法律)の体系を学ぶセクションです。各科目の土台部分を学びます。初学者が基礎マスターにすんなり入れる準備と言いますか、橋渡しといいますか、それが体系マスターです。計42時間。

  • 法学入門:伊藤講師(6時間)
  • 合格シミュレーション:伊藤講師(3時間)
  • 憲法:伊藤講師(6時間)
  • 民法:伊藤講師(6時間)
  • 刑法:伊藤講師(6時間)
  • 商法:本田講師(3時間)
  • 民事訴訟法:本田講師(3時間)
  • 刑事訴訟法:本田講師(3時間)
  • 行政法:伊関講師(3時間)
  • 民事実務・刑事実務:岡崎講師(3時間)

基礎マスター

上の体系マスターを含めてインプット講義ということになります。伊藤塾長のクラスは、ここにかなりの時間を費やすことになります。それだけ丁寧かつ広く深くインプットされるということになりますが、この半分程度の時間で済ます予備校も存在しますので、長いなというのは否めません。576時間。

  • 憲法:伊藤講師(102時間)
  • 民法:伊藤講師(138時間)
  • 刑法:伊藤講師(90時間)
  • 商法:本田講師(93時間)
  • 民事訴訟法:本田講師(57時間)
  • 刑事訴訟法:本田講師(60時間)
  • 行政法:伊関講師(36時間)

基礎マスターテキスト

伊藤塾司法試験入門講座のテキストは伊藤塾伝統?のルーズリーフのバインダー閉じのみでデジタルテキストはありません。図や表を多用してあり情報量はかなり多いですが、逆にそれが仇になりちょっと使いづらいというのが個人的印象です。

ご覧のように色刷りではないのも一因だと思ますが、ここに書き込み(結構指示されるはず)すると煩雑になりやすく、テキストで重要な情報の一元化という観点ではどうなのかなというのが感想です。

そういった事前情報がなかったので、私のテキストは使っていた本人ですら見辛いという事態に陥りました。まあ、気を付けていただければ、大丈夫でしょうが。

糸宿テキストサンプル

基礎マスターその他プログラム

基礎マスタでは、講義によるインプットとは他に知識定着を促すプログラムが用意されています。これらは「リーガルトレーニング(基礎編)」というOPになりますのでご注意ください。

  • 基礎マスター短答まとめテスト(憲民刑2回づつ)
  • 基礎マスター論文答練添削付き全19回(7科目+総論)
  • 基礎論文書き方講義全12回(憲民刑)

短答テストは、短答とあるけれども、あくまで復習の意味合いで短答問題テストをするのであって、短答対策というものではありません。前述のように、短答対策はこの講座には含まれていませんので、必要ならば別途用意が必要です。

また、基礎マス段階で論文に取り組んだ行きますが、ここでは知識の定着や論マスへのスムーズに進むための土台という意味合いが強いです。

もっとも、問題は本番レベルではないにしても、7科目こなすし添削もあるので、次のステップのために大きな成長が期待できます。

論文マスター

論文マスター(以下論マス)は、この業界でも名物講座とも言え、この講座を受講したくて伊藤塾を選ぶという受講生も少なくないと聞きます。

論マスは文字通り、基礎マスで取得した知識を以って、論文合格答案を作成する力を身に付ける講座になります。その中身は実にシンプル。

  1. 講義
  2. 答練

この講義と答練の二本立てで論文合格答案作成力を身に付けていきます。

講義

旧司法試験や法科大学院入試問題などを題材にして、問題文の読み方や事案の分析と論点抽出の仕方・答案構成手法・答案表現手法等、実践的に合格答案作成に必要な視点やテクニック・ノウハウを養います。計186時間です。

  • 憲法:伊関講師(27時間)
  • 民法:伊関講師(33時間)
  • 刑法:伊関講師(27時間)
  • 商法:本田講師(24時間)
  • 民事訴訟法:本田講師(27時間)
  • 刑事訴訟法:本田講師(27時間)
  • 行政法:伊関講師(21時間)

答練

もちろん、解答方法を学んだと実践できなければまったく意味がありません。ここからはOPのリーガルトレーニング(実践編)になりますが、答練(答案練習)というアウトプット訓練も実施する必要があります。全23回。

  • 憲法:伊関講師(3回)
  • 民法:伊関講師(5回)
  • 刑法:伊関講師(4回)
  • 商法:本田講師(3回)
  • 民事訴訟法:本田講師(3回)
  • 刑事訴訟法:本田講師(3回)
  • 行政法:伊関講師(2回)

さらに、予備試験の過去問(2011-2018)について、実際に問題を解いてその添削をするプログラムが論マスには用意されています。7科目と法律実務科目で全71回。この添削は、2way方式(やり取りが2往復)できますので、受講生は添削して返ってきた答案について、再度質問ができることになります。

短答講義答練・模試は含まれず

この入門講座の内容について、注意が必要な点があります。

ひとつ目は、短答に特化した講義・答練は含まれていないこと。別途プログラムは用意されていますので、必要に応じて料金払って取得する必要があります。受験年の年明けに決めるといいでしょう。

必要かどうかは個人差もあり何とも言えませんが、それほど高価でもないので、時期が来たら検討してもいいかもしれません。

もう一つ、全国模試も入門講座には含まれていません。以前は付属していたのですが、税込表記義務化の際据え置いたのですが、その機に外したのかもしれません。今は別料金になります。模試は本番前にぜひ受けてほしいので、申込をお勧めします。別に伊藤塾でなくても問題はあません。

模試は予備試験本番(5月中旬)の直前ですから、3月末~4月中旬ぐらいに実施されるはずです。年明けには検討始めるといいでしょう。



伊藤塾司法試験入門講座の費用は?

この司法試験入門講座の値段はいくらなのでしょうか。下記しましたのでご確認ください。価格はすべて税込です。

  渋谷通学+オンラインライブ web通信
本科生 1,188,000円 1,148,000円
本科生(学習支援システム付) 1,213,000円 1,173,000円
本科生+リーガルトレーニング 1,339,900円 1,299,900円
本科生+リーガルトレーニング(学習支援システム付) 1,364,900円 1,324,900円

オプションについて

伊藤塾司法試験入門講座カリキュラム

ここにあるリーガルトレーニングとは、すなわちリーガルマインド(法的思考)のトレーニングのことです。具体的には答練だと思ってください。基礎マスにも論マスにも答練はありましたが、これはリーガルトレーニングを選択しないと受けることができません。添削も無しです。

もう一つの学習支援システムとは演習が受けられるOPです。株式会社TKCという法科大学院と関係が深い法律情報会社との提携によりweb演習が利用できるOPです。

伊藤塾は高いか?

伊藤塾の当コースでは教育訓練給付制度が使えます。詳しくはリン先に譲りますが、要は社会人で講座の一定の要件満たせば講座料金が20%or最大10万円キャッシュバックされる国の制度です。

司法試験講座ではめっきり見かけなくなった制度ですので、これが使えるとなればコスパは悪くないと考えます。伊藤塾って一般的に高価なイメージがあったと思うんですけど、案外そんなことはないということです。

おすすめコースはリーガルトレーニング付

おすすめのコースはどれか?やはりOP付きのコースになります。中でも、リーガルトレーニングはせっかく伊藤塾を受講するのであれば外せないと考えます。もちろん論マスの講義も大事ですが、答練や添削は必須だと思います。

伊藤塾司法試験入門講座の合格率はどのくらい?

伊藤塾といえば、司法試験予備校で合格実績が優れていることで有名であり、それが業界No.1予備校に押し上げたわけですが、では、受講者の合格率はどのくらいなのでしょうか。

やはり、伊藤塾における合格実績はウリですのでしっかり公表しています。毎年のように華やかな数字が更新されていきますので2021年実績を見てみましょう。

  • 予備試験ルートの司法試験合格者の88.8%が伊藤塾有料講座受講生
  • 予備試験ルートの司法試験合格者のうち、働きながら合格した人の78.7%が伊藤塾有料講座受講者
  • 司法試験合格者1421人中1137人が伊藤塾有料講座受講生

つまり、司法試験合格者の5人に4人が伊藤塾の有料講座を取ったということです。他にも有力司法試験予備校はいくつも存在しますので伊藤塾受講生がこれだけ占有しているというわけではありません(他予備校受講生も重複しているはず)。また、「有料講座」は模試も含みます。

しかしながら、合格している受験生の8割は伊藤塾を何らかの形で選んでいるという事実、これは見逃せません。

おそらく、もっとも受講生を抱えている司法試験予備校を体験してみるのも悪くないと思います。


まとめ

以上、伊藤塾司法試験についてでした。今回は伊藤塾長や呉先生、入門講座伊藤塾長クラスについてお話させていただきました。講義の印象などは実際に受けてきた者でなければわからない部分も少なくありません。

伊藤塾は、実際に受講するしないは別にして、間違いなく検討はするべき予備校です。大手らしい手厚いフォローはさすがだし、何より業界有数のカリスマ講師が複数在籍しているのですから。

おそらく、もっとも受講生を抱えている司法試験予備校を体験してみるのも悪くないと思います。